週刊ファミ通 4月30日発売号掲載
独自のアクション満載のアクションRPGに迫る
『バイオハザード』や『デビル メイ クライ』、『戦国BASARA』を手掛けたことで知られるコバPこと小林裕幸氏に、インタビューを実施。デイビィとジュリアの物語から本作独自の戦闘システムの詳細まで、幅広くお伺いした。
デイビィたちの誕生と出会い
――昨年12月のThe Game Awards 2025で本作を発表したときは、ミュージックビデオ風のトレーラーが注目を浴びました。ジュリア人気が高まったとのことですが、彼女はどのように誕生したのでしょうか。
小林 じつは誕生までにいちばん苦労したのがジュリアです。デザインを一度やり直し、衣装パターンもいくつか作って、髪型もショートからロングまで幅広く試しました。アジアだけでなく、ワールドワイドに受け入れられるヒロインを作らないといけないという意識がありましたので。TGAでの発表後にジュリアがバズったのは本当にうれしかったです。デイビィについては顔だけが最後まで決まりませんでした。身長や体格のイメージは早めに固まっていて、ファッションも比較的すんなり決まったのですが、顔だけは「これだ」と言えるものが出てくるまでに時間がかかりましたね。
――デイビィたちの出会いについて教えてください。
小林 ジュリアは女子大生で、モンスターに追われながら戦っている最中にショッピングモールに逃げ込んだのですが、冷凍庫で亡くなってしまうんです。後にデイビィが食べ物を探してうろうろしていたところ、ジュリアを見つけてひと目惚れします。ゾンビのなかでもひ弱なデイビィが変わるきっかけが、フランク博士の研究していた“卵”です。デイビィがその卵を勝手に盗み食いして、その結果特殊能力を手に入れてしまったため、博士は「お前が世界を救うためにラスボスのKOM(キングオブモンスター)を倒しに行け。そうしたらKOMの持つ技術(オーバーテクノロジー)でジュリアを生き返らせられるかもよ」とけしかけます。ただ、デイビィが戦うモチベーションはあくまでジュリアを生き返らせることなんです。





気になるスタイルイートの仕組みとは
――本作の最大の特徴となっている全11種類のスタイルチェンジについて、詳しく教えてください。
小林 基本はゾンビスタイルから始まって、ダンジョン内に登場する“エリートモンスター”のコアを食べることで姿が変わり、その能力を得ることができます。ポイントは、食べたモンスターそのままのスキルが手に入るわけではないということです。スキルは各モンスターごとに5種類用意されていて、そのなかからランダムでスキルがひとつ手に入る仕様です。狼男のコアを食べても、以前食べたときとは異なるスキルが出てくることがあります。レアリティの概念もあり、レアリティが高いほど攻撃力などの基礎能力が上がります。また、スタイルを獲得する際には“スタイルカード”というものが表示されまして、取得する前にバイトしたスタイルが持つスキルなどの詳細内容を確認することができます。自分がすでに持っているスキルとの比較もできますし、欲しくなければ入手しないという選択もできます。手持ちのスタイルとの相性や、倒したいモンスターに向けた戦略を考えながらスキルを取捨選択するというおもしろさがあるんです。

- ゾンビスタイル: 基本となるスタイル
- 狼男スタイル: スピーディーな動きと攻撃が特徴
- ハーピースタイル: 空中から羽弾による遠距離攻撃が可能
- ゴーレムスタイル: 大群も吹き飛ばす怪力。体勢を崩されにくい
- ヴァンパイアスタイル: コウモリの群れを従えて使役する
- ウィルオーウィスプスタイル: 幽体と実体を行き来できる
- サイクロプススタイル: 巨大な棍棒を振り回す一撃特化型
- スノーフェアリースタイル: 敵を凍らせて自らの力に変えていくスタイル
- マーフォークスタイル: 地中を潜って攻撃できる
- リッチスタイル: 大鎌で攻撃。スケルトンを従えられる
- デーモンスタイル: 鞭と重力を操り敵の位置をコントロール
――10種類のエリートモンスターには、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
小林 近距離型、中距離型、遠距離型という感じでそれぞれ攻撃の射程距離が違いますし、得意な攻撃も異なります。ゴーレムやサイクロプスはパワータイプで、どちらもゴリゴリと殴る系です。ハーピー空中を飛べるタイプで、狼男はスピーディーです。すべてのモンスターに万能なスタイルはなく「この敵に対してはこれが強い」といったような、相性を設けています。ですので、じつはゾンビスタイルが戦うのに一番適した場面があったりします(笑)。合計すると、スタイル10種類にそれぞれ5つのスキルで、50種類のスキルを用意したことになります。スキルは開発スタッフとアイデアをたくさん出し合って考えました。



――それぞれのスタイルを組み合わせて、連続技のような形にすることもできますか?
小林 できます。スタイルとスタイルはボタンひとつで瞬時に切り換えられますので、たとえば「ハーピースタイルで敵の上空へ飛んでいき、ゴーレムスタイルに切り替えてそのままボディプレスをくり出す」みたいな組み合わせ技を自分で発見していただきたいですね。空中でもスタイルチェンジができますし、ゾンビに戻ることだって可能です。



豊富なボディハックで組み合わせは無限
――もうひとつの特徴として、デイビィの体に武器や装備を埋め込むボディハックがありますが、こちらについても教えてください。
小林 私がこのアイデアを聞いたとき、ゾンビ状態のときだけボディハックができると思っていたんです。ところがディレクターから「ほかのスタイルに切り換えても装備できます」と言われまして。スタイルチェンジした状態でも装備はちゃんと機能する仕様になっていますが、これが大変。ゾンビスタイルと狼男ではサイズがぜんぜん違うんですよ。同じ部位に装備を付けても、スタイルによって腕の大きさが異なりますから、11種類それぞれに対してビジュアルの調整をしないといけないんです。モデルチームもアニメーションチームもみんなでがんばってやり切ってくれました。オーバーテクノロジー装備にもいろいろな種類がありまして、近距離型や遠距離型といった攻撃系からエリアから脱出するための装備まで揃えています。スタイルと装備の組み合わせが掛け算になり、数多くのバリエーションを考えていただけると思います。ちなみに、装備はゲームのスタート地点であるショッピングモールでセットし、その後ダンジョンに挑むことができます。パーツを集めてRPG的に強化していく要素もありますので、「この敵にはこういう装備で挑もう」というように、あれこれ攻略法を練ってみてください。



――ディスコ調のド派手な演出が入るデイビィバーストについても聞かせてください。
小林 ある条件のもとで内部ゲージが溜まっていき、溜まり切るとボタン入力でデイビィバーストが発動できます。画面上では溜まったタイミングで発動ボタンが表示される形ですね。発動すると攻撃力と防御力が上がるのですが、その“イケイケになっている感”を出すために、ディスコ調のライティングになり、地面や敵がデイビィが落書きしたようなアートに変わり、さらには音楽も切り換わります。あくまでデイビィの妄想の映像をユーザーに見せているとというイメージで、モンスター側からしたら何も変わっていないんです(笑)。ただ、攻撃力と防御力が上がっているので敵をバッタバッタと倒せるようになりますし、そこが爽快感につながっています。
プレイ時間はボリュームたっぷり30時間
――楽しみにしているユーザーも多いと思いますが、現在の開発状況について教えていただけますか。
小林 開発はもう終わりに近づいていまして、残りは調整と仕上げの段階です。スタートからエンディングまでひと通り遊べる状態にはなっているので、スタッフが毎日プレイして調整や細部の改善を続けています。並行してローカライズも進めていまして、最終的に13言語対応でのグローバル同時発売を目指しています。ボイスは英語のみですが、テキストは13言語入った状態でのリリースとなり、発売は2026年秋以降の予定です。プレイ時間は30時間前後を見込んでいますので、アクションゲームが好きな方はぜひ触れてほしいです。『Stupid Never Dies』、“バカは死なない”をよろしくお願いします。
ファミ通.com(https://www.famitsu.com/article/202605/72172)ではインタビューの完全版を掲載!